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候補者が面接後に辞退する理由

​アメリカの人事情報について、当社では企業様から「採用」に関する多くの相談をいただいております。日本に比べ、スキルアップやより良い待遇条件を求めて転職することがアメリカや海外では一般的です。

JAC Recruitmentでは、求職者・企業様との対話を通じて、人事・採用市場のリアルな実態をお伝えしています。今回は「候補者が面接後に辞退する事例」をご紹介いたします。採用担当者にとって、優秀な人材を確保することは最優先の使命ですが、実際には面接後に辞退する候補者が少なくありません。その背景には以下のような傾向が見受けられます。


企業側の準備不足が露呈する

例えば、「面接担当者の遅刻」、「面接開始後に初めて履歴書を確認する」、「面接担当者同士での意思疎通が不足している」、「企業に関する情報提供や募集背景の説明、仕事内容の詳細な説明がないまま面接が終了する」などが挙げられます。これは企業様の窓口(人事担当者)ではなく、実際に人材を採用したい部署の担当者や、現場のハイアリングマネージャーが面接を担当した場合に多く見受けられる傾向です。面接前には、求める人物像や求めるスキルを再確認し、選考基準を明確にすることが重要です。また、面接時には候補者に情報提供を行い、お互いの理解を深めることが重要です。


差別につながる質問を避ける

候補者の適性や業務遂行能力を確認する以外の質問は、就職差別に繋がりかねず、トラブルを引き起こす可能性があります。年齢や性別、国籍に基づく採用判断は法的に禁止されています。特に注意が必要な質問として、「結婚や出産をしても働き続けますか?」(女性差別)、「年齢差があるチームで働けますか?」(年齢差別)などがあります。長期の雇用意向については、「あなたのキャリアイメージと、弊社の仕事内容は合致していると考えますか?」など、違ったアプローチで確認することが可能です。採用や人事の経験が少ない海外赴任の方も増えていますが、企業は未経験者でも現地での人材採用に取り組む必要があります。面接官は企業の代表として重要な存在ですので、面接官自体も注意が必要です。候補者は面接官に対しても注視しています。当社としても、面接前にアドバイスを提供するだけでなく、企業内での適切な面接対応について共有することが大切だと考えています。

下記は、当社とお付き合いのある企業様で実際に取り入れられたベストプラクティスの一例となります。


面接前の選考基準の明確化

面接前には、明確な選考基準を定め、面接官同士がしっかりとコミュニケーションをとりながら同じ方針で進めることが肝要です。これにより、辞退率が著しく低下し、優れた人材の確保に成功。


選考基準の再確認

面接前に求める人物像やスキルを確認するために、人事担当者とハイアリングマネージャーが共同で会議を開催し、求める特徴やスキルを再確認するプロセスを導入。


面接時の情報提供

面接時に求職者に情報提供を行う際には、企業のビジョンや仕事の魅力を簡潔かつ具体的に伝えることが大切。実際の業務内容やプロジェクトの魅力を強調し、候補者が入社後に期待通りのキャリアを築けるイメージを共有できることを重要視。


差別に関する法令への言及

年齢や性別、国籍に基づく採用判断は法的に禁止されています(例:米国の労働者差別法)。企業はこれらの法令を遵守するため、質問や判断基準に注意を払うよう社内で話し合いを実施。


面接官のトレーニング

面接官には適切なトレーニングが必要です。コミュニケーションスキルや適切な質問の仕方、法的リスクの回避方法などを含むトレーニングを実施され、円滑な面接プロセスが確立されました。

アメリカにおける人事・採用に関するプロフェッショナルとして、さまざまな情報を提供しております。採用に関するだけでなく、組織や人事、マネジメントに関するコラムも掲載しております。お困りごとやご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。

連絡先:unitedstates@jac-recruitment.us